水の硬度、軟水と硬水について

飲み味が硬いのと軟らかい水の差は、どうして生まれるのでしょうか。
水にはカルシウム・ナトリウム・カリウムなどさまざまなミネラル成分(鉱物質)が溶け込んでいます。
ミネラル分が多く含まれると水の味は硬く感じられ、少ないと軟らかく感じられます。
水の硬さを科学的に算出した数値は「硬度」と呼ばれますが、これらはミネラルの主成分であるカルシウムとマグネシウムの量を測定したものです。

計算法によっては、アメリカ硬度(mg/L,ppm)、ドイツ硬度(°dH)、フランス硬度(°f)、イギリス硬度(クラーク硬度)(°E)等の種類があります。
日本では戦前はドイツ硬度が広く用いられていましたが、戦後はアメリカ硬度を用いることが多くなっています。

また、硬度の値によって、硬水や軟水という名称で呼ばれています。
硬度の値別区分
軟水・・・0~60未満
中程度の軟水・・60~120未満
硬水・・・120~180未満
非常な硬水・・・180以上

硬度の計算方法
硬度[mg/l]=(カルシウム量[mg/l]×2.5)+(マグネシウム量[mg/l]×4.1)

ヨーロッパの水の多くは硬水で、日本の水は軟水が多いのが一般です。
硬水は日本人の口には合わないとされていますが、フランスの有名なミネラルウォーターであるエビアン(Evian)やヴィッテル(Vittel)の硬度は300を超え、「非常な硬水」に属しています。
ただし同じフランスのミネラルウォーターでも、ボルヴィック(Volvic)は例外的に硬度が50~60と、軟水に属しています。